2024年5月27日
宮司ブログ~宝亀会を主宰して…
こんにちは。本日もご奉読ありがとうございます。先週の好天から今日は一転。昨晩からの強風と大雨で、朝からどんより。湿度も高く、大安吉日の一粒万倍日なのに、お詣りは少ないです…。
さて、昨日日曜日は宮司主宰の「宝亀会」という宝生流の能楽の会を神楽殿にて開催させていただきました。今年で8回目となり、福岡市をはじめ山口、東京からお弟子さんたちが集まりました。今回は素謡と仕舞の番組構成で、前年度と比べ参加者も少なく、こじんまりとした会でした。
私も素謡二番、仕舞一番させていただきました。写真は仕舞「忠度(ただのり)」という曲。ちょっと解説しますと、主人公 平忠度はこの度勅撰和歌集が出ることとなり、選者の藤原俊成にぜひ私の和歌を載せてほしいと頼み、戦場に行き命を落とします。やがて千載和歌集が出るも、自分の和歌が詠み人知らずになっており、(当時平家は朝敵のため、平家の名を出せなかった)自分の名が載っていないことを嘆き、自分の名を入れてほしいと頼みます。つまり、千載和歌集に入選したにもかかわらず、戦いに負けて朝廷の敵になったため無名の人の作になってしまった。亡霊となって「名前を入れてください」と懇願する姿、歌人として名を残したかったという強い思いを感じる曲であります。
とはいうものの、曲が通常の仕舞の倍近くある曲なので、覚えるのも大変。結局最後の稽古でもお墨付きをもらえず、当日まで必死に自主練したのであります。
別の会でもう一度チャレンジできそうなので、7月末まで復習稽古しようと思います。