2024年1月25日
宮司のひとり言~神職のスキル
こんにちは。本日もご奉読ありがとうございます。
境内に雪はほとんどなくなりましたが、今日も相変わらず厳しい寒さとなっております。
昨日書きましたが、今日からまた別件の葬送の儀のご奉仕をさせていただきます。今月に入って驚くくらい重なりました。
世間様のイメージでは、神職は結婚式、住職はお葬式というイメージがありますが、逆パターンとして神職がご葬儀、住職が結婚式なんてことも当然ございます。ただ数が少ないということです。神道の家がありますので当然葬儀が行われますが、絶対数が少ないので年間めったにないということになります。神社では主に「ハレ」の場所となりますので、「ケ」の行事はできません。別の場所で行うようになります。ただし、法事関係は神前ではできませんが、付帯施設(例えば社務所とか)では行うことができます。
ご葬儀となりますと、装束がすべて異なります。頭から足まで…(烏帽子や浅沓など)すべて神前で使用するものと違います。装束準備後、まず最初にお祓いに使用する大榊を準備します。境内の榊の木を物色しながら、適宜見つけて準備します。御幣をつけて枕直しに行きます。その後会館の方より霊璽(仏教でいう位牌)を預かり故人様のお名前など必要事項を揮毫します。通夜祭をご奉仕し、帰宅後翌日の告別式で奏上する「誄詞(しのびことば)」の作成に入ります。神道は決まった祭詞を奏上するのではなく、その人その人の祭詞を作成します。私も経験上結構作成しておりますので、ある程度自分の頭の中にストーリーを描きながら作成するのですが、まれにそのストーリーと違う波乱万丈な人生を送った人などは、なかなか作成が大変で結構時間がかかります。そんなこんなで作成した誄詞を奏上し告別式、火葬場祭、十日祭とご奉仕し、終わります。
いつもと違うご奉仕ゆえ、気力・体力を使い、終わるとぐったりです…。慣れているとはいえ、いつもお寺さんには感心させられます。
通常の地鎮祭とか家祓は事前に予約がありますので、諸準備がしやすいのですが、ご葬儀は突然のもの。まさに神職のスキルが試される祭事なのであります。